
「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」が東京国立博物館で2024年6月25日から開催
内藤礼の作品構造は「知覚の階層化」にある。空気・水・重力といった物理現象を媒体に、通常は背景として消費される自然事象を前景化させる戦略だ。これは単なる素材選択ではなく、鑑賞者の認知構造そのものを再編成する行為と言える。 国立博物館という制度化された空間での提示は、その意図をより際立たせる。「美術」のフレームを与えられた場所で、フレームを相対化させる作品を置く逆説性が有効に機能する判断と思われる。ただし、空間作品としての「意味の伝達精度」は、展示設計の詰めに大きく左右される。記事の段階では、どの程度の装置的介入で成立しているのか、その構造が明確でない点は詰めが甘い。


